03-3258-1238
03-3258-1238平日9:00 ~ 18:00(土日祝日除く)
SLD(Super Luminescent Diode)光源とは、発光ダイオード(LED)と半導体レーザ(LD)の2つの特性を持った広帯域光源です。
SLDはLEDのように幅広いスペクトルを持ちながら、半導体レーザのように位相の揃った光を発することができるため、LEDと比較して高輝度な輝きを放ちます。 しかし、コヒーレントなレーザを発するLDと異なり、SLDは低コヒーレンスである点も特徴的です。
SLD光源は、例えば、OCT(光コヒーレンストモグラフィー)にて用いられています。 OCT(Optical Coherence Tomography)は光干渉断層計とも呼ばれ、医療分野で活用される高解像度で浸透性の高い断層撮影法です。 生体の断層画像を連続して撮影することで、3Dのイメージを取得できます。
同様の用途にMRIによる撮影がありますが、電磁波で撮影するMRIに対し、OCTは近赤外線で撮影するという違いがあります。 こうした用途に、広帯域かつ低コヒーレンスであるSLD光源は適しております。
あらゆる物質は原子によってできており、原子は原子核と電子で構成されています。 さらに、原子核の周囲を、電子が飛び回っています。 この原子が持つ最低エネルギーの状態を「基底状態」といいます。基底状態にある電子は、もっとも安定した状態です。
そして、この基底状態の電子に光などのエネルギーを加えることで、電子は基底状態より高いエネルギーを持つ状態「励起状態」へと移動します。つまり、電子の軌道が移り変わるのです。 エネルギーを与えられ、励起状態となった電子は、不安定な状態のため、安定した「基底状態」に戻ろうとします。このときに、エネルギーの差が光として放射されます。
原子は、エネルギーを受けることで、基底状態から、励起状態へと遷移します。
このように、外部からエネルギーを受けて発光することを「ルミネッセンス(Luminesence)」といいます。 そしてSLD光源は、半導体の中で、電気エネルギーを得ることにより発光します。こうした発光を「エレクトルミネッセンス(EL:Electroluminescence)」と呼びます。
次は、この半導体によるpn接合の発光原理について、お話いたします。
発光の原理がわかると、pn接合による発光原理も理解できます。 SLDは、LEDやLDと同様に、pn接合の順方向に電流を流すことによって発光します。 これは正の性質である「正孔」をもったp型半導体と、負の性質である「電子」をもったn型の半導体を結合させた構造が基本となっており、この電子と正孔がぶつかること(このことを再結合といいます)で、光を発します。 もともと電子と正孔の注入によって、励起状態が作られています。
この再結合の際、電子と正孔が励起状態(高いエネルギーの状態)から、基底状態(最低エネルギーの状態)へと戻ろうとします。 このときのエネルギーの差が光となるため、SLDは発光するのです。
SLDは、LEDと半導体レーザ(LD)、2つの光源の持つ特徴を兼ね備えています。 ここでは、スペクトルとコヒーレンスという2点に着目し、どういった特徴がLEDやLDと類似しているのか見ていきます。
SLDはLEDと同様、幅の広いスペクトルを持っています。 しかし、SLDはLEDと異なり、光をそのまま放出(自然放出)するのではなく、自然放出光を増幅させてから放出します。そのため、波長と位相の揃っていないLEDと異なり、SLDは波長の定まったコヒーレントな光を照射できるのです。 同様に、LDの光もコヒーレンスです。しかし、SLDとLDでは、スペクトルの幅が異なります。
そのため、SLDは、スペクトルの幅が広いという点ではLEDに似ており、コヒーレントな光を発射できるという点ではLDに類似しているといえるでしょう。
SLD光源(広帯域・波長可変タイプ)は、近赤外波長範囲の堅牢でコンパクトな波長可変SLD光源(SLED)です。 全てのスペクトル範囲にわたって安定性の高い、高輝度な光を出力します。 CWDM/DWDM向け光通信コンポーネントの評価や、OCTにおいても最適です。6つのLEDを独立制御できるため、医療分野での高度な要求にも応えられます。
広帯域かつ低コヒーレンスの特徴を持つSLD光源は、OCTの他、光通信機器の評価、FBGセンシングの用途にご使用頂けます。
パルスレーザーとは
レーザーとは
ピコ秒・フェムト秒レーザーとは
CO2レーザーとは
エキシマレーザーとは
レーザーダイオードとは
1064nm帯レーザー
パルスジェネレータ搭載電源の選び方
KLV大学レーザーコース